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【理系転職】技術職で重視される“数字の出し方”とは?|未経験でも伝わる成果の表現術

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目次

Part1:なぜ技術職では「数字」が重視されるのか?

技術職の現場では、日々の仕事において「数値」で評価されることが当たり前のように求められます。製品の試験データ、品質評価、設備稼働率、作業効率、不良率、コスト削減効果など、そのすべてが「見える化」された数値によって語られます。

たとえば、筆者が転職した技術開発職の現場では、ゴム材料の引張強度やムーニー粘度といった物性値、混練量や配合比率、工程別の時間管理など、すべてが数値によって記録・管理されています。これは「感覚」や「印象」ではなく、誰が見ても同じ基準で判断できる“客観的な尺度”を必要とするからです。

技術職において、なぜこのように数字が重視されるのか──その背景には次の3つの理由があります。

1. 客観性がある

数字は「誰が見ても同じ結果を導ける」という特性を持ちます。たとえば「努力しました」では評価しにくくても、「製造不良率を3.5%→1.2%に改善」と言えば、その成果がはっきり伝わります。評価者にとっても、社内説明や稟議資料に使いやすい指標になります。

2. 再現性がある

技術の世界では「同じ条件で同じ結果が出る」ことが非常に重要です。もし前任者が行った業務の成果が定性的にしか残っていなければ、後任者は再現できません。数値で業務を記録していれば、他者が同様の手順・条件で再現可能になります。つまり、組織全体で知見を共有・継承するために、数値は不可欠です。

3. 論理的思考力が伝わる

転職活動では、応募者が論理的に物事を考えられるかどうかを面接官は見ています。特に理系職種の面接官は、「技術は好きです!」「地道に頑張ります!」といった情熱よりも、「その問題にどう向き合い、どう解決し、どのような成果が得られたか」という過程を、数字とともにロジカルに説明できるかを重視します。

数字で語ることは、自分の価値を証明する手段になる

未経験者にとって、「理系の実績がない」「現場経験がない」と感じるのは当然の不安です。しかし、“数字”を意識して自身の行動や成果を整理してみると、たとえ異業種であっても、説得力を持って伝えられることが意外と多くあるのです。

たとえば──

  • 営業成績(月間売上◯万円、契約件数◯件)
  • チームでの成果(改善案を提案→作業時間◯%短縮)
  • 業務効率化(資料作成時間:1件あたり30分→15分)

など、定量化して表現すれば、「この人は自分の仕事を客観的に分析し、改善できる人材だ」と伝わります。

特に家庭を持っている場合、「限られた時間の中でどう工夫して成果を出したか」という姿勢も、数字を使って示せば、評価につながる大きなポイントになります。

実際の面接で印象に残るのは「数字を含んだ実績」

筆者が技術職に転職した際、印象的だったのは、書類選考を通過した際に「未経験でも、前職での行動が数字で表されていたことが評価につながった」と言われたことです。

具体的には「顧客対応件数」「トラブル対応の平均時間」「見積提出率」「受注後のフォローアップ率」などを数値で表したことで、未経験ながら“数字で考える習慣”があると認識されたようです。

数字で語ることは、自己満足やアピールではなく、面接官にとって「判断材料」になるということを意識しましょう。

数字の裏にある“ストーリー”も重要

もちろん、数字だけを並べるのではなく、その裏にある背景や工夫もあわせて語ることで、数字はさらに活きてきます。

たとえば「不良率を3%→1%に下げた」という結果があった場合、その改善をどうやって実現したか(手順改善?作業者教育?部材の変更?)を加えることで、あなたの貢献度や論理的思考がより明確になります。

技術職の世界では、「なぜそうなったのか?」を説明できる力が、長く重宝されます。


Part2:職務経歴書での“数字の出し方”具体例

「数字で実績を出せ」と言われても、実際にはどう書けばいいのか悩む方も多いでしょう。特に異職種から理系職・技術職への転職を目指す人にとっては、「そもそも数字で語れる経験なんてない」と感じるかもしれません。

しかし実際には、どの職種であっても、数字で語れるポイントは必ずあります。ここでは、職種別に実際の表現例を挙げながら、“NG表現”と“改善例”の違いを見ていきましょう。

◆ 営業職からの転職例:

  • 【NG例】「丁寧なヒアリングを行い、お客様との関係を構築」
  • 【改善例】「月平均40社を訪問、前年比120%の売上達成。新規顧客契約数は前年同月比+35%」

営業職はとくに数字が出しやすい職種です。売上金額、契約件数、訪問件数、成約率、リピート率など、さまざまな角度から成果を数字化できます。

◆ 事務職・サポート職:

  • 【NG例】「日々の資料作成を通じてチームを支援」
  • 【改善例】「週平均35件の資料を作成。フォーマット改善により作成時間を1件30分→18分に短縮。結果、月間作業時間を約8時間削減」

事務職では、業務件数や処理スピード、ミス率、問い合わせ対応件数などを指標にできます。「定型的な業務だからこそ改善余地がある」ことを数字で示すと効果的です。

◆ 製造職・現場作業:

  • 【NG例】「機械操作を行い、製品を仕上げました」
  • 【改善例】「ライン作業効率を見直し、不良率を2.5%→1.0%に改善。設備停止時間も1日平均30分→10分に短縮」

現場系の仕事では、作業効率、稼働率、不良率、改善提案数などが数値化しやすいです。とくに安全性や品質向上に貢献したエピソードは、技術職でも共通して評価されます。


◆ 数字を使った表現で評価されるポイント

  1. 行動量のアピール:「1日◯件」「週◯時間」「月◯本の資料作成」など、日々の努力を可視化できる。
  2. 改善効果の見える化:「時間短縮」「ミス削減」「コスト削減」など、変化の前後を比較できるとより効果的。
  3. 再現性のある行動:「こうすればこうなる」を見せることで、論理的思考力と再現性のある成果をアピール。
  4. 継続力の証明:「3ヶ月間毎日続けた」「半年間継続的に分析」など、努力の積み重ねも定量化できる。

◆ 書き方のコツ:数字+動詞+改善結果のセットにする

下記のようなフォーマットで書くと、職務経歴書に説得力が出ます。

【Before】抽象的な説明:

「丁寧な顧客対応を心がけ、信頼関係を築きました」

【After】定量的な成果:

「週平均20件の問い合わせ対応を担当し、応答率を75%→93%に改善。顧客満足アンケートでは『対応が速い』評価を前年比+15%で獲得」

このように、主観ではなく客観的な“数字の裏付け”がある表現にすることで、読み手(採用担当)の信頼感を得ることができます。


◆ 異業種でも「技術職に通用する数字」はある

実は営業・販売・事務・接客業など、理系とは関係がないように思える職種でも、技術職に活かせる「数字で示せるスキル」が存在します。

たとえば──

  • 販売業:在庫管理の正確性(棚卸差異ゼロを6ヶ月継続)
  • 接客業:クレーム対応件数、解決率、顧客アンケートの評価数
  • 保育士:園児の人数・スケジュール管理・年間行事の運営数

これらは一見すると「技術職とは関係ない」と思われがちですが、**「状況把握力」「段取り力」「改善力」**といった技術職でも重要な能力の裏付けになるのです。


◆ 数字化に困ったら「3つの視点」で探してみよう

  1. 業務量・処理量の視点
    • 「どれくらいやったか?」に注目(件数、時間、回数)
  2. 成果・改善の視点
    • 「何がどう良くなったか?」(%改善、コスト削減、効率化)
  3. 継続・努力の視点
    • 「どのくらい続けたか?」(日数、週数、学習時間など)

次のパートでは、未経験者でも「数字」を使える方法について、さらに掘り下げていきます。

Part3:未経験でも“数字”を使える考え方とは?

未経験で技術職を目指す場合、「実績も現場経験もない自分には、数字で語れることが何もない…」と思い込んでいませんか?

結論から言うと、それは大きな誤解です。なぜなら、“数字”は実績だけでなく、「行動量」や「思考の工夫」まで表すことができるからです。

ここでは、未経験者が数字を活用して自分の強みを伝える方法を具体的に紹介します。


◆ 学習・準備の数字化で“姿勢”を伝える

未経験者にとって一番わかりやすいのが、「学習量」や「行動量」を数字で表す方法です。たとえば以下のような表現です:

  • 「技術職への転職を見据え、3ヶ月間で計60時間の学習時間を確保(週5日、1日30〜60分)」
  • 「理系知識を補うため、通信講座(○○講座)を受講し、修了率100%。演習問題を100問以上解いて理解を深めた」

このような定量的な努力は、“本気で取り組んできた”姿勢の証拠として受け取ってもらえます。


◆ 資格取得や成果物の数字化

  • 「危険物取扱者乙種第4類の取得に向けて、2ヶ月で合格。毎日1時間の学習を継続」
  • 「学習内容を自主的にスプレッドシートでまとめ、社内共有を目的とした技術メモを30ページ分作成」

数字で表すと、単なる「勉強しました」ではなく、「計画的に取り組み、結果を出した」という印象になります。


◆ 転職活動自体の“数字化”も立派な実績

以下のような記録も、努力の積み重ねとして評価されることがあります:

  • 「応募企業リストを作成し、業界・企業分析を30社分実施」
  • 「書類通過率:初期20%→最終50%まで改善(職務経歴書の見直し・添削を3回実施)」
  • 「エージェントとの面談を5回、模擬面接を3回実施し、受け答えの質を向上」

「応募件数が多い=やみくもに応募した」とは限らず、**“戦略的に動いた証拠”**として数字で示すことで、面接官の印象も変わります。


◆ 家庭との両立も数字で伝えることができる

家庭持ちの転職希望者は、「どれだけ家族とのバランスを保ちながら準備できたか」も大切なアピール材料です。例えば:

  • 「毎朝5時に起床し、家族が起きるまでの1.5時間を転職準備に充て、3ヶ月で累計100時間以上」
  • 「パートナーと週1回、転職後の生活について話し合い、全12回の話し合いを実施」

こうした表現により、「計画的に行動し、家庭と仕事の両立に向けた努力を重ねてきた」ことが数字で伝えられます。


◆ 数字で“再現性”と“信頼性”を示せる

技術職では、「この人は入社後も同じように努力し、結果を出すだろうか?」という視点で見られます。そのときに、

  • “一時的な感情”ではなく、
  • “継続的な習慣”としての行動、
  • “数値で確認できる再現性”

があることは、大きな信頼につながります。

たとえば──

  • 「学習ノートを毎日記録し、2ヶ月で合計40日分。毎週振り返りを実施」
  • 「毎週1本、業界のニュースをまとめたブログ記事を作成(計12記事)」

こうした活動が数字で示されることで、未経験でも「この人なら仕事も同様に記録し、改善し、継続できそうだ」と面接官は判断します。


◆ 「数字がないから伝わらない」とあきらめる前に

実績がなくても、「数字で可視化できる努力」は誰でもできます。

・学習時間、 ・記録件数、 ・応募社数、 ・改善率、 ・提案件数、 ・継続日数……

自分がどれだけ真剣に、論理的に取り組んできたかを示すために、「数字を意識する視点」そのものが未経験者にとって最大の武器になるのです。


次のパートでは、面接の場でこの“数字”をどう使えば説得力が増すのか、その伝え方のコツを紹介していきます。

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Part4:面接で「数字」をどう話せば説得力が増すか

職務経歴書で“数字”を盛り込むことができても、面接の場でうまく話せなければアピールになりません。むしろ、数字を一方的に並べるだけでは、相手に「機械的な回答だな」と感じさせてしまうリスクもあります。

ではどうすれば、面接で“数字”を活かしながら、自然に、かつ説得力をもって伝えることができるのでしょうか?

ここでは、技術職の面接で効果的に数字を伝える「構成方法」や「話し方のフレームワーク」、「リアルな受け答えの例」を紹介していきます。


◆ 結論:STAR法で構成するのが最も効果的

STAR法とは、

  • S(Situation):状況
  • T(Task):課題
  • A(Action):行動
  • R(Result):結果

という4つの要素で構成するフレームワークで、海外でも採用面接で広く用いられています。

この構成を使うことで、面接官が「どんな状況で、何に取り組み、どう工夫し、どんな成果が出たのか?」を論理的かつ具体的に把握できます。


◆ 実例①:営業から技術職への転職希望者

質問:過去に取り組んだ成果について教えてください。

【回答例(STAR法)】

  • Situation(状況):以前、営業職として中小企業のお客様を30社以上担当していました。
  • Task(課題):取引先の1社で、納期遅延が頻発し信頼を失いつつあるという課題がありました。
  • Action(行動):納期の遅れの原因が社内の工程管理にあると仮説を立て、各部署にヒアリング。結果、受注フローと発注フローに齟齬があると判明し、Excelでスケジュール共有表を作成・導入しました。
  • Result(結果):その後、月平均5件発生していた納期トラブルが、1件以下に。結果として、その取引先からの売上が前期比115%となり、別部署の新規案件も受注できました。

このように、背景・課題・行動・成果を順を追って伝えることで、ストーリーとして伝わりやすくなり、説得力が増します。


◆ 実例②:未経験からの技術職希望者

質問:理系未経験とのことですが、転職に向けてどんな準備をしてきましたか?

【回答例(STAR法)】

  • Situation:家庭との両立が必要なため、限られた時間の中で転職活動を行う必要がありました。
  • Task:理系職への理解と基礎知識を補い、現場で求められる力を身につけることが課題でした。
  • Action:平日は毎朝5時に起床し、子どもが起きるまでの1時間を学習に。3ヶ月で計90時間の学習時間を確保し、技術講座も1コース修了。あわせて、業界研究のため30社の企業分析をまとめました。
  • Result:書類選考の通過率が当初20%だったのが、60%まで向上。面接でも「準備の丁寧さ」が評価され、今回の面接に至っています。

このように、たとえ直接的な技術経験がなくても、「何を考え、どう行動し、結果として何を得たか」を数字とともに話せば、十分に評価対象になります。


◆ 面接で数字を自然に入れる3つのポイント

  1. “行動の結果”に数字を添える
    • 例:「報告書を提出し続けたことで、上司からのフィードバックが週1回→毎日へと増えた」
  2. “工夫した点”を数字で証明する
    • 例:「5ステップの作業を、3ステップに削減し、平均作業時間を40分→25分に短縮」
  3. “成果”の大小ではなく“変化”に注目する
    • 例:「エラー率が2件/週から1件/週へ。小さな変化でも大きな意味」

◆ 数字で語る際の注意点

  • 大きく見せようとしすぎない: 無理に盛ると質問が深堀りされたときにボロが出る可能性があります。
  • 数字だけでなく“背景と意図”も語る: どんな数字も、「なぜそうしたのか?」「どのように実行したか?」の話がセットになっていなければ伝わりません。
  • 日常的に記録を取る癖をつけておく: すぐに数字が出てくる人は、普段から意識して業務を見ているという証明にもなります。

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次のパートでは、家庭を持つ転職希望者が数字で評価されるための“応用編”を紹介していきます。

Part5:家庭持ち転職者が“数字”で評価されるためのコツ

家庭を持ちながら転職活動を行うとき、限られた時間やエネルギーのなかでどのように成果を出すかが問われます。その中で「数字を用いた自己PR」は、家庭との両立を評価ポイントに変える武器になります。

ここでは、家庭を持つ転職希望者が、どのように数字を活用して“制約の中での工夫と成果”を伝えられるか、具体例を交えながら紹介します。


◆ 時間の制約があるからこそ、“工夫”が評価される

独身の転職希望者に比べて、家庭持ちは自由に使える時間が限られます。しかしその状況こそが、評価の材料になります。

  • 「毎朝5時に起床し、子どもが起きるまでの1時間を3ヶ月継続。学習時間:累計90時間」
  • 「夜間にパートナーとの話し合いを週1回実施。転職活動と家事育児の両立を調整しながら行動」

このように、“限られたリソースをどう使ったか”を数字で表現することで、行動力と計画性が伝わります。


◆ 家庭との両立の数字例

  • 子どもの送り迎え:週5回担当(保育園〜職場間の移動:片道15分)
  • 食事や家事の分担:1日あたり1.5時間(朝食準備+皿洗い+洗濯)
  • 自主学習時間:1日45分×週5日×3ヶ月 = 45時間
  • 求人精査・応募:30社分の情報をExcelにまとめ、家族と共有(週末に5回レビュー会)

こうした活動も、「家庭があるからできない」ではなく、「家庭があるからこそ効率的に進めた」とポジティブに言い換えられます。


◆ 家族の理解を得るプロセスも“数字”で語れる

転職活動においては、パートナーの理解が不可欠。以下のような取り組みも数字で表すと説得力が増します:

  • 「転職活動の初期に、パートナーと週1で面談を実施。3ヶ月間で12回の相談を通じて条件のすり合わせを完了」
  • 「引っ越し・勤務時間変更に備えて、子どもとの生活スケジュールを3パターンシミュレーション」

数字は“感謝や理解”を表すツールとしても機能します。


◆ 仕事と家庭のバランス調整もアピールになる

例えば:

  • 「現在の勤務時間:7:30〜17:00(通勤時間15分)をベースに、保育園へのお迎え17:30に対応」
  • 「残業なしの勤務形態を希望する理由として、子どもの成長段階にあわせた生活リズム維持を挙げ、週5回の子育て支援実績を提示」

「家庭がある=制約が多い」と捉えられがちですが、**“段取り力”“優先順位付け”“時間管理力”**はどれも技術職で重宝されるスキルです。


◆ 数字で語ることで、家庭持ちでも「やれる人」と伝わる

採用側は「本当に仕事を継続できるのか?」「急な休みに対応できるか?」といった懸念を持っていることがあります。そのときに「家庭との両立実績」を数字で示せば、信頼感を得られます。

例:

  • 「子どもの体調不良時、在宅勤務を月3回活用して業務を継続」
  • 「家族で協力して、保育園・学童との連携体制を月間10件以上整備」

◆ 転職活動中の“見えない努力”を数字で可視化する

家庭持ちの転職者が実際に行っている努力は、第三者には見えにくいものです。

  • 「求人情報を調べた時間:1日平均30分×90日 = 約45時間」
  • 「面接練習を3回実施し、1回あたり45分のロールプレイング」
  • 「転職エージェントとの連絡履歴:LINE・電話計22件」

このように、日々の細かな活動を数値化することで、努力の積み重ねが見えてきます。

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次のパートでは、実際に技術職に転職してから数字の重要性をどのように感じたか、筆者の実体験を交えてお伝えします。

Part6:技術職に転職してから実感した“数字の強さ”【実体験】

筆者自身、30代半ばで営業職から技術開発職へと転職しました。理系出身ではあったものの、実務経験はなく、転職当初は「知識がない自分がこの職場でやっていけるのか」という不安ばかりでした。

しかし、日々の業務に向き合っていく中で、**「数字で考える」「数字で記録する」**という姿勢が、未経験者でも現場に貢献できる最強の武器であることを実感しました。


◆ 数字が信頼を生む瞬間を、何度も経験した

技術職の現場では、試験・実験・製造などすべてにおいて「数値」がベースとなります。私の職場ではゴム材料の研究開発に携わっていますが、たとえば以下のような業務があります。

  • ムーニー粘度:42→38へ低減(加工性改善)
  • 引張強度:280N→330Nへ向上(製品性能UP)
  • 加硫時間:10分→8分に短縮(生産性UP)
  • 色合わせ誤差:ΔE=4.5→2.0以下に調整

こうした数値は、提案や改善の成果としてダイレクトに評価されます。上司やベテラン技術者に対しても、**「この条件で試した結果、〇〇が△△%改善しました」**と数字で語れるだけで、理解・納得を得やすくなりました。


◆ 曖昧な表現は通用しない。だから数字で示す

技術職の会話では、たとえば「少し柔らかくなった」「大体いい感じです」といった表現は通用しません。

代わりに求められるのは、

  • 「硬度:62→55に変化」
  • 「引裂き強度:19.0kN/m→22.5kN/m」
  • 「配合比率:CR-60を7.5%→6.0%に変更」

などのように、定量的に比較できるデータです。

未経験でも、「この環境では、何をどう測定すれば評価につながるのか」を学んでいけば、数字をベースにした改善提案や報告は十分に可能だと実感しました。


◆ 数字で会話できる人は“信頼されやすい”

職場では、先輩や上司と仕事を進める中で、

  • 「〇〇の条件でやってみたけど、数値がこう変化した」
  • 「前回より試験結果が〇%向上した」 と話すだけで、一段階上の技術者扱いをされる場面も増えました。

数字で語れると、「この人はしっかり現象を観察している」「曖昧な感覚でなく、裏付けを持って話している」と信頼されます。特に入社1年目や未経験の立場では、この“信頼の積み重ね”が本当に大きいです。


◆ 数字で記録し続けたから、改善にもつながった

私が特に意識していたのは、色合わせや配合調整の際に必ず記録を残すということです。

たとえば、

  • 使用顔料の種類とグラム数
  • 基本ゴムの練り量
  • 加硫条件(温度・時間)
  • 得られた色の画像や測定値

これらをすべてExcelやスプレッドシートで蓄積。1回の試作がうまくいかなくても、「なぜ失敗したか」「何が違ったのか」を数字で振り返ることができるようになりました。

このような“データ蓄積→仮説→再検証”のサイクルは、未経験でも再現性のある成長を生み出します。


◆ 転職活動中の“数字の習慣”が、仕事に活きている

今振り返ると、転職活動中に「職務経歴書を改善して通過率が上がった」「毎日1時間の学習を継続した」など、行動を数字で振り返る癖が、仕事の姿勢にもつながっています。

数字に強くなるというのは、数学が得意という意味ではありません。

  • 現象を観察し、
  • 記録し、
  • 比較し、
  • 改善する。

この繰り返しができる人になるということです。


◆ 「数字で語れる力」は未経験でも育てられる

私のように、営業職から技術職に転職しても、数字を武器に成長することは可能です。むしろ、前職で“結果を数値で見せる意識”があったからこそ、技術職でも評価される場面が増えました。

  • 定量的な思考
  • 数字の記録
  • 比較・検証

これらは未経験からでも意識さえすれば、確実に身につきます。そしてその習慣こそが、技術職でのキャリアを支えてくれる“地力”になるのです。

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次章ではまとめとして、未経験・家庭持ちでも数字でアピールする転職術のポイントを総復習します。

まとめ:数字は“経験が少ない人”こそ使うべき武器

技術職への転職では、「数字で語れるかどうか」が大きな分かれ道になります。

経験が豊富な人であれば、過去の実績を数字で示すことはたやすいかもしれません。しかし、未経験の人こそ「努力の量」「学びの深さ」「行動の積み重ね」を数字で表現することで、自分の価値を“見える化”することができます。


本記事で伝えたかったポイントまとめ

✅ 技術職では「客観性」と「再現性」が求められ、数字での説明が信頼につながる。
✅ 職務経歴書では、【件数】【時間】【改善率】などを使って定量的にアピール。
✅ 未経験者は「学習時間」や「応募数」「改善プロセス」など“行動量”の数字が武器。
✅ 面接ではSTAR法を活用して、「課題→行動→成果」の流れを数字で伝える。
✅ 家庭持ちでも、育児・学習・転職準備の“両立実績”を数字で証明できる。
✅ 実際に転職後も、数字で語る・記録することが評価と信頼につながっていく。


最後に:今日からできる3つのアクション

  1. 日々の行動を数値化して記録する習慣をつける(学習時間、応募数、相談回数など)
  2. 職務経歴書や面接回答を「数字入り」に書き直してみる
  3. 「成果」ではなく「改善率」や「行動量」に注目する(未経験でも使える)

数字はあなたの努力と成長を“見える化”する最高の武器です。

経験が少なくても、制約が多くても、数字で語れるようになれば、技術職転職の突破口は必ず開けます。

あなたの挑戦が、しっかり評価され、実を結ぶことを心から願っています。

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うんば
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👨‍🔧 38歳・2児の父が「営業→技術職」に転職成功! はじめまして、うんばです。理系出身ながら営業職に就職し、家族と過ごす時間を求めて35歳で未経験から技術職へ転職しました。このブログでは、家庭を持ちながらキャリアチェンジした実体験や、副業・家計管理について発信しています。
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